ブラウザのタブが4つ。ログインが4回。同じ職務内容なのに、文字数制限は媒体ごとに微妙に違う。
マーケティングマネージャーの求人をLinkedIn、Indeed、Wantedly、自社採用ページに掲載し終わる頃には、半日が消えています。そして返ってくる応募の大半は、面接に呼ぶことのない人たちです。
あちこちに掲載したくなる気持ちは、よくわかります。掲載先が増えれば目に触れる機会も増え、良い候補者に出会える確率も上がるはず。
でも日本の労働市場では、この直感が時間と候補者の両方を少しずつ奪っていくんです。
求人媒体の罠
1つの媒体に求人を掲載するのに20〜30分かかります。4媒体なら、まだ誰も応募していない段階で1.5〜2時間。そして本当に時間がかかるのは、応募が届いてからです。
1人を採用するのに、4週間で30時間かける企業もあります。シニア職なら6〜8週間で40時間。その多くは、何も生み出さない事務作業です。媒体ごとのフォーマット調整、別々のダッシュボードへのログイン、応募者がどのチャネルから来たかの記録。
時間の内訳を見てみましょう。
掲載作業:1媒体あたり20〜30分。4媒体で1.5〜2時間になります
書類選考:レジュメ1件あたり30〜90秒。応募数が控えめでも数時間かかり、その大半はそもそも条件に合わない人に費やされます
重複管理:同じ候補者が2〜3の媒体から応募してきます。誰がどこから応募したのかを整理するだけで、さらに時間がかかります
返信対応:テンプレートを使っても、件数が増えれば無視できない時間になります
掲載料:多くの媒体は掲載ごとの課金かサブスクリプション制です。つまり、条件に合わない応募者の分までお金を払っているわけです
合計すると、最初の面接にたどり着く前に1ポジションあたり10時間以上。ご自身の数字を入れて、複数媒体でのサーチが1採用あたりいくらかかっているか計算してみてください。
この合計は、媒体のサブスクリプション費用の上に乗ります。さらに、媒体で決まらなかった後に結局支払うことになるエージェンシーフィーの上にも。誰も測定していないから、誰も予算に入れていないだけなんです。
なぜ日本で求人媒体が機能しないのか
2024年に求人広告経由で就職した人は約250万人でした。労働力人口6,700万人と並べてみると、このチャネルの狭さが見えてきます。エントリーレベル職、事務職、そして人が積極的に次の仕事を探す業界。求人媒体が機能するのは、この範囲です。
あなたが採用したい候補者は、ほぼ全員がこの範囲の外にいます。
パッシブ候補者の問題
日本の労働者の3分の1以上は、一度も転職したことがありません。勤続年数も多くの国より長い。ところが不思議なことに、日本のプロフェッショナルの66%が今年転職を計画しています。アジアで最も高い数字です。
転職を「計画している」とは、良い機会が向こうから届いたときに検討する、ということです。昼休みにIndeedを更新することではありません。
求人媒体は、探しに来た人にしか求人を見せられません。日本では、あなたが欲しい人材のほとんどが、探しに来ないのです。
求職者より求人が多い市場
- 失業率2.5%(2026年6月)。世界でも最低水準です
- 有効求人倍率1.18倍。求職者100人に対して求人が118件あります
- 企業の85%がテック職の採用に苦戦。世界で最も高い割合です
この市場では、優秀な候補者のほうにアプローチが届きます。リクルーターから、元同僚から、人脈経由で。求人媒体への掲載が届くのは転職活動中の少数派だけで、その間に、本当に欲しい人材には別の誰かが直接声をかけています。
エージェンシー向けに設計されたボリュームゲーム
エージェンシーは何百もの求人を複数のプラットフォームに掲載し、応募を大量に処理する仕組みを持っています。1掲載あたりの応募がわずかでも、数百倍すれば十分な数になるからです。
一方あなたは、同じチャネルで1求人ずつ、その仕組みなしで戦うことになります。日本のミドル〜シニア職が結局エージェンシー経由かダイレクトソーシングで決まるのは、まさにこの構造が理由です。あちこちに掲載して始めたサーチであっても、です。
典型的なサーチの実際のコスト
マーケティングマネージャーのポジションを考えてみましょう。LinkedIn、Indeed、Wantedly、自社採用ページに掲載して2時間。応募が150件届き、うち30件は重複。3時間の書類選考で残った有資格者は8人。うち3人と面接します。
日程調整に2週間かかる間に、2人は他社のオファーを受諾。最後の1人も、最終面接の前に別の仕事を選びました。
ポジションはまだ空いたままです。すでに10時間以上を費やし、次に電話をかける相手は、フィーを避けたくて遠ざけていたはずのエージェンシーです。日本の逼迫した市場では、この流れが日常的に起きています。
求人媒体が有効なケース
大量採用のエントリーレベル職:カスタマーサービス20席、倉庫スタッフ50人といった採用では、広いリーチが力になります。
採用ブランディング:LinkedInへの投稿は、適任者が応募するかどうかに関係なく認知を高めます。
転職活動層向けの職種:新卒、キャリアチェンジ組、離職率の高い業界では、候補者が実際に媒体を見ています。
ミドル〜シニア職、スペシャリスト、そして人材プールの大半がパッシブなポジションには、別のチャネルが必要です。日本のプロフェッショナル採用のほとんどは、このカテゴリーに入ります。
プロフェッショナル職はどこで決まるのか
ダイレクトソーシング
専任の採用チームを持つ大企業は、LinkedIn RecruiterやBizReach、業界の人脈を使って自らサーチを行います。フルタイムのリクルーターがいて、候補者が知っているブランドがあり、ターゲット人材にすでに届くネットワークがある。この3つが揃えば機能します。
すべてのポジションで3つが揃う企業は、ほとんどありません。
エージェンシーを正しい形で使う
エージェンシーは、求人媒体を開かない人たちとの関係を何年もかけて築いています。問題は、その力があなたのポジションに向くかどうか。それを決めるのが契約の形です。
成功報酬型(コンティンジェンシー)で複数のエージェンシーが同じポジションを競う形は、インセンティブのずれを生みます。コンサルタントは決まりやすい案件を優先し、難しいポジションは後回しにされます。そしてあなたは、ただでさえ管理している求人媒体の山の上に、エージェンシーからの営業連絡まで受けることになります。
独占契約(エクスクルーシブ)なら、このインセンティブが逆転します。自社が唯一のパートナーだとわかっているエージェンシーは、本気でリソースを投じます。成約率にも、それが表れます。あなたが書くブリーフは1つ、管理する関係も1つ。届く候補者には、推薦の背景情報が添えられています。
「1回だけ掲載する」という選択肢
日本のプロフェッショナル職に合ったチャネルは、構造化されたエージェンシー契約です。そしてそこにたどり着く手間は、求人媒体への掲載1周分より少なくて済みます。
求人を1回掲載する。エージェンシーがそれを見て、自社のネットワークとの相性を判断し、提案を出す。あなたは提案を横並びで比較して、そのサーチに最も適したパートナーを選ぶ。AirTAは、企業が求人を1回掲載するとエージェンシーから構造化された比較可能な提案が届く、このプロセスを運営するマーケットプレイスです。
時間の節約は、3つの場所から生まれます。
- 掲載1回、プラットフォーム1つ、やり取りの窓口1つ。4つのダッシュボードが不要になります
- 150件のレジュメを選考する代わりに、エージェンシーの実力を評価する
- 決定権はあなたに残ります。合う提案があれば受諾し、なければ断るだけです
時間を取り戻す4つのステップ
1. 実際の時間コストを記録する
次の採用で、掲載、選考、重複整理、返信に全員が費やした時間を記録してみてください。集計した本人が一番驚く数字になるはずです。
2. ポジションを仕分ける
大量採用のエントリーレベル職は、媒体のままで構いません。プロフェッショナルサーチには別のチャネルが必要です。ポジションの難易度で仕分けて、「前回と同じやり方」をデフォルトにするのをやめましょう。
3. 停滞している1ポジションを独占契約にしてみる
何週間も求人媒体に載せたまま埋まらないポジションが、格好のテストケースです。再掲載はスキップして、1社のエージェンシーに独占契約で任せ、何が変わるかを見てください。
4. 成果を測定する
チャネルごとの充足数と採用リードタイムを数え、どちらも生まないチャネルは切ってください。求職者100人に求人118件の日本では、ばらまき型の採用は報われません。本当に欲しい候補者は、あなたの求人を見てすらいないのですから。
掲載を増やせば、応募は増えます。でも、それで候補者の質が上がったことは一度もありません。
1回の掲載で、競うのはエージェンシー側に任せてみませんか? AirTAで無料で求人を掲載して、独占契約の提案を横並びで比較できます。