また同じ5人のCVが届いていませんか?
メールのロゴはエージェンシーごとに違うのに、中身は同じ候補者。しかも、どれも要件に合っていない。
バイリンガルサーチが長引くと、多くの企業は同じ行動を取ります。エージェンシーをもう1社追加する。求人サイトにもう1つ掲載する。LinkedInのメッセージをもう一巡送る。
東京の多国籍企業も、外資系企業も、海外展開を目指す日系企業も、同じ一握りの人材に同じ手を打っています。
そして、全員が押せば押すほど、返ってくるものは少なくなっていくのです。
人材プールは小さく、さらに縮んでいる
日本の英語力は123カ国中96位。2025年版EF英語能力指数の順位は、11年連続で下がり続けています。
韓国は48位。中国は86位。日本はどちらよりも下です。
学校で何年も英語を勉強した日本人ビジネスパーソンは、たくさんいます。希少なのは「仕事で使える」レベルのほうです。通訳なしで交渉をまとめる。リージョナルの経営陣にプレゼンする。英語だけでクライアントとの関係を築く。
そこに失業率2.5%(2026年6月)が重なります。
これができる人は、すでに働いています。すでにそのスキルに見合った報酬を得ています。求人サイトを眺める理由が、そもそもないのです。
なぜ定番の打ち手が裏目に出るのか
サーチが止まったとき、多くの企業が手を伸ばす打ち手は2つあります。どちらも前進している感覚があります。でも、どちらもサーチを難しくするんです。
条件を積み上げる。 求人票にはこう並びます。「ネイティブレベルの日本語、流暢な英語、IT業界5年以上、CPA優遇、東京勤務可、年収800万〜1,000万円」。
一つひとつの条件なら、該当者は見つかります。でも全部を重ねると、該当者はほぼ1人。そしてその1人は、競合他社で1,200万円をもらっています。
希少な条件の積み上げに、市場より低い報酬。この組み合わせがサーチを殺します。
エージェンシーを増やす。 1社で決まらないなら、2社で確率は2倍、3社で3倍になるはず。そう考えたくなりますよね。
実際には、インセンティブが崩壊します。4社が同じポジションを担当すると、内部登用やキャンセルまで含めれば、各社の成約率は約20%まで下がります。負ける確率のほうが高い賭けに、30時間のヘッドハンティングを投資できるコンサルタントはいません。だから各社は、データベースにすでにいる候補者を急いで提出します。
その結果が、重複したCV。誰が自分を代表しているのかわからず混乱する候補者。そして、深いソーシングが一番必要なポジションで、誰もそれをしていないという状況です。
この行動の仕組みはエージェンシーがあなたのポジションを優先しない理由で分解していますが、要するに、計算上そうせざるを得ないのです。
欲しい候補者は、もう聞いていない
採用する価値のあるバイリンガル人材は、すでにバイリンガルプレミアムを払う企業で働いています。何年にもわたるリクルーターからの大量アプローチを経て、InMailは無視する、コールドメールは読まずに削除する、求人情報には触れない、と学習済みです。
エージェンシーのデータベースには、2019年に登録した記録が残っている人もいます。紐づいた電話番号は、もうつながりません。
書類上はリーチできる。実際に反応するのは、たった一つのアプローチだけです。
下調べを済ませたリクルーター。候補者の会社を知り、状況を知り、具体的なポジションと「なぜあなたに合うのか」という具体的な理由を持って接触してくる人です。
このアプローチには時間がかかります。ターゲット企業のマッピング。各社の中にいる適切な2〜3人の特定。温かい接点の探索。1人のために書かれたと伝わるアウトリーチ。
成約率20%のコンサルタントには、この仕事に投資する余裕がありません。成約率80%、つまりそのサーチを独占で担当する1社なら、できます。
ソーシングの問題に見えるものの正体は、経済の問題です。
そのサーチがエージェンシーにとって持つ価値を変えれば、同じ市場から候補者が出てくるようになります。
バイリンガル採用の本当のコスト
まず報酬から。日本のバイリンガルポジションの報酬は、同等の日本語のみのポジションより30〜60%高くなります。800万円で予算を組んだポジションなら、競争するには1,040万〜1,280万円が必要です。
このプレミアムを飛ばすと、どうなるか。パターンは決まっています。求人には該当者が集まらない。興味を持った1〜2人も、競合のオファーを見て離脱する。そして6ヶ月後、結局その大きい数字を承認することになるのです。
次に、サーチそのもののコストです。日本の採用フィーは年収の30〜40%。1,000万円の採用なら、フィーは300万〜400万円です。社内チームで進める場合、バイリンガルポジションの充足には平均90〜110日かかります。3〜4ヶ月の空席、残ったチームによるカバー、止まったままのプロジェクト。そして採用が失敗すれば、90日超のカウントはゼロからやり直しです。
フィー、空席コスト、再採用リスク。合計すると、バイリンガル1名の採用が1,500万円を超えることは珍しくありません。
ご自身の年収とフィーの数字を入れて、あなたのサーチがどこに着地するか確認してみてください。
この規模になると、本当の問いは金額の大きさではありません。そのお金が1人の優秀な採用につながるのか、それとも3回の失敗した成功報酬型サーチで燃え尽きるのか、です。
独占契約と市場水準の報酬
1社のエージェンシーにポジションと確実なフォーカスを渡すと、30時間のヘッドハンティングに投資できなかったコンサルタントが、投資できるようになります。パッシブ候補者への深いアプローチを経済的に成立させる仕組みが、独占契約(エクスクルーシブ)です。
ただし、企業側にも必要なことがあります。
市場水準の報酬を払い、それを公開する。 年収レンジを求人に明記してください。日本の採用文化はこれを嫌がります。でも、バイリンガル候補者はレンジのない求人を無視します。複数の機会を同時に比較している彼らは、面接を一巡した後に「数字が低かった」とわかるような時間の使い方をしないのです。
希望リストを削る。 N2で仕事が回るなら、N1を求めるのは候補者をタダで減らしているだけです。必須条件が15個ある求人票はユニコーン探しに見え、そのように扱われます。必須5つと歓迎5つなら、誰かが勝ち取れる現実的なポジションに見えます。条件を下げるか、報酬を上げるか。動き出すサーチには、たいてい両方が少しずつ必要です。
専門特化のパートナーを選ぶ。 総合エージェンシーはデータベースを検索します。バイリンガル専門のリクルーターは、去年決めた候補者からの紹介を持っています。コンサルタント自身がバイリンガルで、あなたの業界での成約実績があり、キーワードマッチではなくヘッドハンティングをする人を探してください。契約前に確認すべき質問はエージェンシーの比較方法にまとまっています。
タイムラインは90〜110日のまま、と考えておいてください。変わるのは、出てくる候補者です。
1週目にデータベースから吐き出された誰かではなく、引き抜けるものなら引き抜きたい企業の中から、あなたのポジションのために個別にアプローチされた候補者に会えるようになります。
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