AirTA

日本の採用市場における英語要件の実態(2026年版)

日本の1,135社の採用サイトに掲載された34,910件の求人が英語に何を求めているかを読み取り、TOEIC運営団体が公表するスコアデータと突き合わせた調査レポートです。

求人は英語をどこまで求めているか

内容を読み取れた32,715件のうち、67.0%は英語要件の記載がありません。19.0%は一定の英語力を求め、ビジネスレベル以上の英語(会話を含む)を求める求人は14.0%です。歓迎要件としての記載も含みます。

需要は特定の業界に集中しています。製薬では36%の求人がビジネスレベルの英語を求め、ライフサイエンス機器が34%で続きます。国内向けのサービス業ではほとんど求められず、小売は3.4%、建設は1.0%、運輸は1.5%です。

  • 製薬

    1,606件

    35.9%

  • ライフサイエンス機器

    175件

    33.7%

  • 自動車

    762件

    27.8%

  • 銀行

    523件 · MUFGが分母の70%を占める

    27.7%

  • 物流・サプライチェーン

    203件

    26.1%

  • 証券・資産運用

    449件

    25.4%

  • 医療機器

    851件

    24.6%

  • 通信

    295件

    23.7%

  • 化学・素材

    664件

    23.5%

  • インターネット・EC

    2,061件

    22.7%

全30業界を表示
  • 電機・エレクトロニクス

    2,503件

    17.5%

  • 機械・重機

    879件 · Mitsubishi Heavy Industriesが分母の60%を占める

    14.2%

  • 保険

    429件

    14.2%

  • 金融・フィンテック

    546件

    14.1%

  • 観光・ホスピタリティ

    973件 · Daiwa House Realty Managementが分母の45%を占める

    13.5%

  • 総合製造

    389件

    12.3%

  • 消費財

    354件

    12.2%

  • IT・ソフトウェア

    7,416件

    11.5%

  • 不動産

    290件

    11.4%

  • エネルギー・公益

    280件

    10.7%

  • メディア・広告・PR

    1,021件

    7.8%

  • プロフェッショナルサービス

    2,630件

    7.3%

  • エンターテインメント・ゲーム

    2,413件

    6.9%

  • 食品・飲料

    1,070件

    6.8%

  • 教育・エドテック

    384件

    5.0%

  • ヘルスケアサービス

    735件

    4.6%

  • 小売

    1,788件 · Ain Holdingsが分母の56%を占める

    3.4%

  • デジタルヘルス

    238件

    2.9%

  • 運輸

    195件 · Newmoが分母の43%を占める

    1.5%

  • 建設

    384件

    1.0%

英語レベルを判定できた求人が150件以上ある業界のみ掲載。日本語の求人で英語への言及がないものは記載なしとして集計し、要件としては数えません。英文の求人で英語への言及がないものは推定せず、集計から除外しています。分母が特定企業に集中する業界は各行に明記しています。

求人票に書かれるスコア

2,607件の求人(259社)がTOEICのスコアを挙げています。求人件数で最も多いのは600点で、挙げる企業数が最も多いのは800点です。企業内受験者のうち800点以上はおよそ9人に1人です。

求人件数ではなく企業数で数えると、600点・700点・800点を挙げる企業数はほぼ同じで、730点と750点が続きます。13社以上が挙げるスコアの中で最も高いのは860点で、クリアできる企業内受験者はおよそ17人に1人です。

  • TOEIC 900

    29件 · 18社

    クリア率3.2%

  • TOEIC 860

    68件 · 17社

    クリア率5.9%

  • TOEIC 850

    39件 · 28社

    クリア率6.7%

  • TOEIC 800

    596件 · 111社

    クリア率11.3%

  • TOEIC 750

    128件 · 53社

    クリア率16.9%

  • TOEIC 730

    244件 · 62社

    クリア率19.4%

  • TOEIC 700

    344件 · 110社

    クリア率23.4%

  • TOEIC 650

    262件 · 47社

    クリア率30.9%

  • TOEIC 600

    656件 · 96社

    クリア率39.1%

  • TOEIC 550

    35件 · 13社

    クリア率47.7%

  • TOEIC 500

    158件 · 38社

    クリア率56.2%

バーの長さは各スコアを挙げる求人件数。複数のスコアを挙げる求人は最も高いスコアで数えています。パーセンテージは、公表されている企業内受験者のスコア分布から50点刻みの線形補間で推計した、そのスコア以上の受験者の割合です。

選考に使うテストは、求めるスキルを測っていない

求人票が描くのは話す場面です。英語での会議、プレゼンテーション、交渉。しかし大半の企業が選考に使うTOEIC Listening & Readingは、スピーキングもライティングも測定しません。

IIBCは両テストを受験した約348,000人のデータを公表しています。Listening & Readingで800〜895点の層のスピーキング平均は200点満点中131.4点。IIBCの評価の目安では、「少なくとも部分的に意見の根拠や説明が聞き手にとって不明瞭なことがある」とされるスコアレンジ(130〜150点)です。900点以上の層でも平均150.5点と、同じレベルの上限にとどまります。TOEIC 800という要件が保証するのは高い読解力と聴解力であり、平均的には、英語で自分の立場を論理的に説明できる人材ではありません。

Listening & Readingのスコア帯別に、スピーキングとライティングの平均点(いずれも200点満点)を表示。破線はIIBCのスピーキング評価レベルの区切りで、130〜150点は「少なくとも部分的に意見の根拠や説明が聞き手にとって不明瞭なことがある」レンジ、160〜180点は「的確に意見を述べたり、複雑な要求に応えることができる」レンジです。

業界別に見る需要と供給

当社とIIBCの業界区分が一対一で対応する業界は、需要と供給を同じグラフで比較できます。輸出型の製造業は自社の人材プールを大きく超えて英語を求め、国内サービス業はプールをほとんど使っていません。

最も差が大きいのは自動車です。求人の28%がビジネスレベルの英語を求める一方、その基準を満たす受験者は業界の6.5%にとどまります。製薬はさらに高い頻度で英語を求めますが、受験者の層が厚いため倍率は低くなります。

青はビジネスレベルの英語を求める求人の割合。グレーはその業界の企業内受験者のうちTOEIC 795点以上と推計される割合。分母が異なる2つの割合であり、差の大きさは採用の難度を示すもので、人数の不足を意味しません。

英語要件は職位とともに増える

職位をタイトルに明記した求人(全体の約5分の1)では、ビジネスレベルの英語需要はエントリーの6%からディレクターの60%まで上がります。

給与プレミアムは各職位の内側でも消えません。同じ職位の求人同士を比べると、英語要件を記載した求人の給与中央値は記載のない求人を上回ります。プレミアムはスキルそのものへの対価であり、職位の高さの反映だけではありません。

  • エントリー

    819件

    6.1%

  • ジュニア

    230件

    28.7%

  • シニア

    1,090件

    29.8%

  • リード

    1,802件

    19.9%

  • マネージャー

    2,047件

    32.7%

  • プリンシパル

    113件

    50.4%

  • VP

    62件

    50.0%

  • ディレクター

    442件

    60.0%

職位英語要件の記載なし何らかの英語の記載ありプレミアム
エントリー・ジュニア500万円 (n=460)708万円 (n=100)+42%
シニア・リード875万円 (n=944)955万円 (n=285)+9%
マネージャー以上900万円 (n=402)1,050万円 (n=191)+17%

職位グループごとに、英語要件の記載がない求人と何らかの英語要件を記載した求人の給与中央値(レンジの中間値)を比較。中央値は1万円単位に丸めています。

タイトルに職位を明記した求人のみ(判定済み求人の約21%)。明記のない求人は推定せず除外しています。

英語の基準を決めているのは外資系企業

外資系企業はビジネスレベルの英語を求人の37.5%で求めます。日系企業では7.8%で、約5倍の差があります。

外資系企業の求人はコーパス全体の21%ですが、ビジネス英語需要の55%を占めます。給与データでは双方にプレミアムがあります。日系企業では英語に言及する求人の給与中央値が18%高く、外資系では31%高くなりますが、開示サンプルはかなり小さくなります。

37.5%

476社 · 6,760件

7.8%

616社 · 25,885件

外資系企業で英語を活かせる求人を見る

最終的な支配グループの本社が日本国外にある企業を外資系と分類。外国株主が少数保有する日本上場企業は日系に分類します。1,092社を分類し、まだ分類していない5社は除外しました。

英語人材はどこにいるのか

英語圏での居住経験は、業界や職種以上に受験者を分けます。企業内受験者の約65%は海外居住経験がなく、その層でビジネス基準を満たすのは8.2%です。

英語力は入社の入口にも集中しています。入社前に受験した候補者の平均は639点で、入社1年目の540点を含め、社内のどの層よりも高い水準です。データは一時点の断面であり、個人の英語力の伸びや低下については何も語りません。

  • 海外居住経験なし

    受験者240,450人

    8.2%

  • 6か月未満

    受験者96,400人

    18.6%

  • 6か月〜1年

    受験者12,731人

    36.1%

  • 1〜2年

    受験者6,381人

    35.6%

  • 2年以上

    受験者13,114人

    41.9%

英語を主要言語とする国での居住年数(自己申告)別に、TOEIC 795点以上と推計される企業内受験者の割合。FY2025、企業・団体受験。

英語はいくらの差になるか

有効な給与を明記した15,935件では、給与中央値(レンジの中間値)は英語要件なしで700万円、何らかの英語の記載ありで825万円です。

業界内で比較できるだけの給与開示がある業界は9つあります。ビジネス英語のプレミアムは製薬の52%が最大で、エンターテインメント・ゲームでは−16%です。自社のプールを最も超えて英語を求める自動車では8%です。これらは開示された給与に対するプレミアムであり、給与をほとんど開示しない業界は含まれません。

記載された要件求人件数給与中央値(中間値)
英語要件の記載なし12,979700万円
一定の英語力を求める1,896825万円
ビジネスレベルの英語(会話)を求める1,060825万円
業界英語要件なしビジネス英語プレミアム
製薬525万円 (n=301)800万円 (n=104)+52%
医療機器600万円 (n=112)800万円 (n=58)+33%
プロフェッショナルサービス700万円 (n=1411)860万円 (n=45)+23%
電機・エレクトロニクス725万円 (n=880)855万円 (n=188)+18%
IT・ソフトウェア800万円 (n=3741)900万円 (n=240)+12%
自動車725万円 (n=217)782万円 (n=75)+8%
化学・素材750万円 (n=193)800万円 (n=69)+7%
機械・重機725万円 (n=306)750万円 (n=57)+3%
エンターテインメント・ゲーム700万円 (n=1092)585万円 (n=38)−16%

給与は求人が明記したレンジの中間値。中央値は1万円単位に丸めています。全社平均の定型文、上下が逆転したレンジ、中間値が250万円〜3,000万円の範囲外のものは集計前に除外しました。

このデータの読み方

  • 両側とも割合であり、人数ではありません。需要は求人に占める割合、供給は受験者に占める割合で、どちらも就業者全体に占める割合ではありません。
  • 英語要件は決定的ルールで求人本文から抽出し、記載なし・一定の英語力・ビジネスレベル以上の3区分で公表しています。手作業でラベル付けした190件との一致率は、ルール調整後で約90%、ルールが未調整だった件では約80%です。以前のモデル判定によるラベルは、判定済み求人の50件に1件未満です。より細かい区分は検証に耐えないため、本レポートでは公表しません。
  • 英語を求める求人とは、レベルを明記するか業務での英語使用を記述した求人で、歓迎・尚可の記載も必須と同じく数えています。ビジネスレベルの求人の約5件に1件は歓迎要件としての記載です。
  • 供給側の分母は企業・団体受験、つまり企業が実際に実施するテストです。個人受験者の平均は約110点高く、これを使うとあらゆるギャップを過小評価します。
  • カバレッジは機械可読な採用サイトに依存します。国内大手の一部は独自形式の採用ページを使っており、ある業界のデータが薄いことは読み取れる範囲の反映であって、その業界が採用していない証拠ではありません。
  • トレンドの主張はしません。求人コーパスは2026年7月開始で、IIBCのセグメント別データは単年の公表です。

このレポートを引用する

AirTAの名前とこのページへのリンクを添えて自由に引用できます。

出典表記
出典:AirTA「日本の採用市場における英語要件の実態(2026年版)」(2026年9月)https://airta.jp/ja/reports/state-of-english-hiring-japan
リンク(HTML)
<a href="https://airta.jp/ja/reports/state-of-english-hiring-japan">AirTA「日本の採用市場における英語要件の実態(2026年版)」</a>

出典:日本の1,135社の採用サイトに掲載された34,910件の求人(AirTAコーパス、2026年10月21日時点)。うち32,715件は内容を読み取れたもの。IIBC「TOEIC Program Data & Analysis 2026」(FY2025、企業・団体受験者424,158人)。セグメント別の供給割合は公表平均値と企業内スコア分布からの推計であり、個別の数値は近似値です。

AirTAで最初の採用を始める

採用担当者の方は求人を掲載し、人材紹介会社の方は登録後、承認を受けてから最初の提案を提出できます。手数料、期間、条件は最初から双方に開示されます。