男女の賃金差異の企業一覧です。厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」(2026年10月9日時点)に各社が公表した男女の賃金の差異は、職種や役職を分けずに計算した男女の平均年間賃金の比です。同じ仕事の賃金を比べた値ではありません。
全労働者と正規雇用労働者の両方を公表し、下の条件に沿う23,316社の中央値は、全労働者72.7%、正規雇用労働者77.2%です。14,822社で、全労働者の値が正規雇用労働者の値を下回ります。
製薬、医療機器、IT・ソフトウェア、専門・ビジネスサービス、化学・素材の企業は、AirTAの企業ディレクトリと法人番号で突き合わせ、全労働者・正規雇用労働者・非正規雇用労働者の3区分を企業ごとに並べました。表に載せた166社では、118社で全労働者の値が正規雇用労働者の値を下回ります。いずれも男女の賃金の差異を公表した企業の値で、日本の全企業の集計ではありません。
男女の賃金差異とは(男性の平均賃金を100とした女性の割合)
男女の賃金の差異は、男性労働者の賃金の平均に対する女性労働者の賃金の平均を割合(パーセント)で示したものです。事業年度の賃金総額を人数で割った男女別の平均年間賃金から、女性÷男性×100で計算し、小数点第1位まで公表します。公表は全労働者、正規雇用労働者、非正規雇用労働者の3区分です。
算出方法は厚生労働省の通知「男女の賃金の額の差異の算出及び公表の方法について」が定めており、男女で異なる算出方法は認められていません。賃金には、賞与を含め、労働の対償として支払われるすべてのものが入ります。退職手当と通勤手当等は、男女で同じ扱いにすることを条件に、各社の判断で賃金から除くことができます。パート労働者の人員数を正規雇用労働者の労働時間を基に換算することも認められており、換算した企業はその旨を注記します。
掲載した値には条件が4つあります。データの対象が単体であること、対象期間の終了が2025年1月以降であること、持株会社やグループ会社名義の公表でないこと、注釈で対象が一部の労働者や事業所に限られていないことです。条件に合わない企業は、業界の集計にも企業の表にも入りません。
各社はデータベースの注釈・説明欄に、数え方や補足を任意で書くことができます(通知 第6、解釈事項Q&A問36)。表の※は、注釈に数える対象を変える記載(通年在籍者のみ、休職者を除く、執行役員を正規雇用労働者に含むなど)がある企業に付け、その箇所だけを表の下に載せています。
全労働者には非正規雇用労働者も含まれる
正規雇用労働者は、会社が直接雇用し、期間の定めなくフルタイムで働く労働者と短時間正社員です。非正規雇用労働者は、パート・有期雇用労働法の短時間労働者と有期雇用労働者で、派遣労働者は含みません。全労働者はこの2つの合計です。
通知は、3区分で公表する理由を「全労働者における男女間賃金差異は、正規雇用、非正規雇用それぞれの男女労働者の割合の差異の影響を大きく受ける」と説明しています。同じ企業で全労働者と正規雇用労働者の値が違うのは、全労働者に非正規雇用労働者が含まれるためです。
100を超える値と「-」
100を超える値は女性の平均年間賃金が男性を上回ることを示し、表には公表どおり載せています。条件に沿う23,488社のうち、全労働者の値が100を超えるのは699社です。企業の表では、非正規雇用労働者の値に100を超えるものがあります。
「-」は、その区分の値が公表されていないか、男女どちらかの労働者がいない区分です。後者は通知とQ&Aが「-」と記載するよう定めています。0という意味でも、隠しているという意味でもありません。
【企業別】製薬・医療機器・IT・化学など166社の公表値
表は各社が公表した全労働者の男女の賃金の差異の順に並べたもので、賃金の高さや働きやすさの順位ではありません。厚生労働省は通知で、「その数値の大小のみをもって個々の事業主の女性活躍推進の取組を理解できるものではない」としています。値は各社が公表したとおりで、対象期間は企業ごとに異なります。非正規雇用労働者は各社の値だけを載せ、中央値は出していません。
企業の表には、公表した法人とAirTAに掲載している求人の雇用主が同じであることを確認できた企業だけを載せています。企業名から各社のページを開けます。資本は業界別の外資系企業一覧と同じ基準で分け、定義は外資系の項にあります。
製薬の36社(全労働者の中央値80.4%)
全労働者の中央値は80.4%(中央の半数は76.3〜85.6%)、正規雇用労働者の中央値は82.3%です。26社で全労働者が正規雇用労働者を下回り、非正規雇用労働者の値を公表したのは34社です。外資系は17社(中央値85.5%)、日系は19社(中央値76.9%)です。製薬のタグにはCRO(医薬品開発業務受託機関)も含まれます。
※ ギリアド・サイエンシズ株式会社の値は、通年在籍の社員だけを対象に計算したものです。
※ アッヴィ合同会社の値は、休職者を除いて計算したものです。
※ 大塚製薬株式会社の値は、執行役員を正社員に含めて計算したものです。
出典:女性の活躍推進企業データベースオープンデータ(2026年10月9日時点)(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/opendata/)
一部の企業の売上高は製薬会社の売上ランキングにあります。
医療機器の26社中21社で全労働者が正規雇用労働者を下回る
全労働者の中央値は76.4%(中央の半数は67〜81.3%)、正規雇用労働者の中央値は77.6%です。非正規雇用労働者の値を公表したのは25社です。外資系は13社(中央値78.1%)、日系は13社(中央値69.8%)です。
※ 株式会社フィリップス・ジャパンの値は、休職者と、賞与支給の対象外となる直近の入社者を除いて計算したものです。
パラマウントベッド株式会社の値は、事業会社のパラマウントベッド株式会社単体の値です。
出典:女性の活躍推進企業データベースオープンデータ(2026年10月9日時点)(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/opendata/)
一部の企業の売上高は医療機器メーカーの売上ランキングにあります。
IT・ソフトウェアの外資系18社(全労働者の中央値77.8%)
IT・ソフトウェアは84社で、全労働者の中央値は75.4%(中央の半数は69.5〜80.9%)、正規雇用労働者の中央値は76.5%です。58社で全労働者が正規雇用労働者を下回り、非正規雇用労働者の値を公表したのは71社です。社数が多いため、外資系と日系の2つの表に分けました。
※ オモビオ株式会社の値は、時給制の非正規雇用労働者を除いて計算したものです。
※ ボッシュホームコンフォートジャパン株式会社の値は、休職者を除いて計算したものです。
出典:女性の活躍推進企業データベースオープンデータ(2026年10月9日時点)(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/opendata/)
IT・ソフトウェアの日系66社(全労働者の中央値75%)
※ 株式会社モンスターラボの値は、合併した会社の合併前の賃金を含めて計算したものです。
出典:女性の活躍推進企業データベースオープンデータ(2026年10月9日時点)(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/opendata/)
一部の企業の売上高はIT企業の売上ランキングにあります。
専門・ビジネスサービスの24社は全労働者の中央値69%
全労働者の中央値は69%(中央の半数は64.6〜76.9%)、正規雇用労働者の中央値は73.6%です。15社で全労働者が正規雇用労働者を下回り、非正規雇用労働者の値を公表したのは21社です。外資系は6社(10社未満のため中央値なし)、日系は18社(中央値70.3%)です。専門・ビジネスサービスのタグには、コンサルティングのほか、会計・法務、人材サービス、検査・認証、調査の企業が含まれます。
※ イー・アール・エム日本株式会社の値は、Partnerを除いて計算したものです。
出典:女性の活躍推進企業データベースオープンデータ(2026年10月9日時点)(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/opendata/)
化学・素材の16社(正規雇用労働者の中央値78.7%)
全労働者の中央値は74.1%(中央の半数は70.8〜81%)、正規雇用労働者の中央値は78.7%です。13社で全労働者が正規雇用労働者を下回り、非正規雇用労働者の値を公表したのは16社です。外資系は1社(10社未満のため中央値なし)、日系は15社(中央値73.8%)です。
※ 株式会社日本触媒の値は、対象期間中に勤務実績のない休職者を除いて計算したものです。
株式会社レゾナックの値は、事業会社の株式会社レゾナック単体の値です。
企業名は各社の登記上の名称で、データベースの公表名と表記が異なる場合があります。一社が複数の業界に数えられるため、表の社数を足し合わせることはできません。
出典:女性の活躍推進企業データベースオープンデータ(2026年10月9日時点)(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/opendata/)
一部の企業の売上高は化学メーカーの売上ランキングにあります。
【業界別】全労働者の中央値は65.7%から80.6%(23,488社)
全労働者の男女の賃金の差異を公表し、上の条件に沿う企業はデータベース全体で23,488社あり、中央値は72.8%、中央の半数は63.3〜81.5%です。上の企業の表とは母集団が異なります。
業種別の全労働者と正規雇用労働者(32業種)
業種はデータベースの分類で、名称はそのまま載せています。全労働者の中央値は金融業、保険業の65.7%から医療、福祉の80.6%までです。10社以上の31業種で中央値を出し、漁業は社数のみです。業種詳細の医薬品とその他化学工業の2行を末尾に加えました。
正規雇用労働者の中央値は、その業種で正規雇用労働者の値を公表した企業の中央値で、社数は全労働者の社数と少し異なります。表は全労働者の中央値の順に並べたもので、業種の順位ではありません。
女性の活躍推進企業データベースオープンデータ(2026年10月9日時点)(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/opendata/)を加工して作成
23,316社中14,822社で全労働者が正規雇用労働者を下回る
残りは、1,779社で両方が同じ値、6,715社で全労働者が正規雇用労働者を上回ります。
女性の活躍推進企業データベースオープンデータ(2026年10月9日時点)(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/opendata/)を加工して作成
表は両方を公表した企業が10社以上の業種で、業種詳細の2行を末尾に加えました。
女性の活躍推進企業データベースオープンデータ(2026年10月9日時点)(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/opendata/)を加工して作成
企業規模別(10人未満から5001人以上)
企業規模はデータベースの7区分です。社数がもっとも多い区分は101~300人の8,413社です。この区分の公表義務は2026年4月1日からで、それまでは公表する項目として選んだ企業が公表していました。
データベースに市場区分のある上場企業のうち、条件に沿う1,686社の全労働者の中央値は70.6%です。各社が単体の値としてデータベースに公表したもので、有価証券報告書の値とは別です。
女性の活躍推進企業データベースオープンデータ(2026年10月9日時点)(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/opendata/)を加工して作成
公表値を見た企業をフォローする
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会員登録(無料)外資系52社の中央値は81.4%、日系114社は74.6%
外資系企業は、最終的な支配グループの本社が日本国外にある企業です(外資系企業の定義と社数)。資本の区分はAirTAが調べた支配関係に基づきます。
企業の表に載せた166社を重複なしで数えると、全労働者の中央値は外資系52社で81.4%、日系114社で74.6%です。上の業種別の集計とは母集団が異なります。正規雇用労働者の中央値は、外資系81.4%、日系76.4%です。
女性の活躍推進企業データベースオープンデータ(2026年10月9日時点)(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/opendata/)を加工して作成
一社が複数の業界に数えられるため、行の社数を足し合わせることはできません。外資系が10社に届かない業界は社数のみです。差の原因はこの集計からはわかりません。
301人以上は2022年7月から、101人以上は2026年4月から公表義務
女性活躍推進法第20条に基づき、常時雇用する労働者が301人以上の企業には2022年7月8日から、101~300人の企業には2026年4月1日から、男女の賃金の差異の公表が義務づけられています(厚生労働省のリーフレット)。100人以下の企業は、いずれか1つ以上の情報の公表が努力義務です。
101~300人の企業の最初の公表は、2026年4月1日以後に最初に終了する事業年度の実績を、その終了後おおむね3か月以内に行います。通知の例では、2026年4月末に終わる事業年度なら2026年7月末まで、2026年12月末なら2027年3月末まで、2027年3月末なら2027年6月末までです。
公表しなかったこと自体に罰則はなく、労働局から求められた報告をしない、または虚偽の報告をした場合は20万円以下の過料の対象です(解釈事項Q&A問2)。
各社の値は、厚生労働省が公表先として「最も適切」とする女性の活躍推進企業データベースと、各社のサイトで確認できます。有価証券報告書の値は、提出会社と連結子会社それぞれの値のこともあります。金融庁の通知は企業が公表した男性の育休取得率の有価証券報告書の項にあります。
女性管理職比率は同じ法律の別の項目で、企業が公表した女性管理職比率に業界別・企業別の値があります。
男女の賃金差異についてよくある質問
男女の賃金の差異の平均は?
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、一般労働者の男女間賃金格差(男=100)は76.6です。6月分の所定内給与の平均を比べた値で、比較可能な1976年以降で格差が最も縮小しました。所定内給与の平均は、男性373.4千円、女性285.9千円です。
対象は短時間労働者を除く一般労働者で、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所(52,242事業所)の調査です。データベースの値は企業ごとの年間の賃金(賞与を含む)で、全労働者には非正規雇用労働者も含まれるため、測り方が異なります。
男女間の賃金差異の公表例はありますか?
各社が公表した実例は、上の企業の表のとおりです。通知が示す公表の様式は、「男女間賃金差異(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)」の見出しの下に、全ての労働者、うち正規雇用労働者、うちパート・有期労働者の3行を置き、対象期間を注記するものです。
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