AirTA

法務のキャリアパス(求人票の経験年数と業務内容)

法務の求人で企業が記載している経験年数、業務内容、資格、年収を集計し、管理職、専門領域、企業内弁護士・士業の方向は経済産業省、厚生労働省、日本組織内弁護士協会などの公表情報で示します。

Daniel Smith•2026年10月2日•更新日 2026年10月2日•19分

法務のキャリアパスを求人票の記載から見ると、法務の求人273件(173社)のうち経験年数と業務内容の両方を記載した163件では、契約審査・作成を挙げる求人が経験3〜4年で57件中40件(70%)、5年以上で73件中50件(68%)です(2026年9月25日時点)。外部弁護士対応は57件中5件(9%)から73件中13件(18%)に増えます。

法務のキャリアパスとは

法務のキャリアパスは、法務の担当者が経験を重ねたあとに担う役割と業務の道筋です。公表元の情報で確認できる方向は、管理職・法務部長・ジェネラルカウンセル、専門領域、企業内弁護士、士業、知的財産や内部監査などの隣接する職種です。

法務の仕事と公表元の定義

厚生労働省の職業能力評価基準(事務系職種)は、事務系の仕事を9職種19職務に分け、企業法務を「企業法務・総務・広報」職種の職務として定めています。企業法務の職務記述書は、この仕事を「企業内外で法律判断を必要とする事項に関する対応措置の検討や、法的問題の未然防止、紛争が発生した際の処理等を行う仕事。知的財産管理に関する仕事を含む」と説明しています。

同じ職務記述書は、法務の仕事を行うための特定の学歴要件や必要最低経験年数はないとし、法学部などで主要法令の基礎を習得した人が配属される場合が多いと書いています。法科大学院の卒業者が、司法試験の合否を問わず企業法務の専門職として採用されることも増えていると説明しています。

経済産業省は、令和元年11月19日の「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会 報告書」で、法務機能を3つに整理しました。事業が踏み込める範囲を広げるクリエーション機能、実現可能な範囲内での最大化を目指すナビゲーション機能、実現可能な範囲内にとどめるガーディアン機能です。報告書はガーディアン機能を「違反行為の防止(リスクの低減含む)、万一の場合の対処などにより、価値の毀損を防止する機能」と定義しています。報告書は、経済産業省の競争政策のページから国立国会図書館の保存版にリンクされています。

法務のキャリアパスの主な方向

方向主な役割・業務説明の出どころ
管理職・法務部長・ジェネラルカウンセル(GC)・CLO法務部門を統括し、経営陣の一員として職責を担う経済産業省の研究会報告書(令和元年11月19日)、厚生労働省の職業能力評価基準(レベル3 マネジャー、レベル4 シニア・マネジャー)
専門領域(スペシャリスト)紛争処理、組織再編とM&A、知的財産権などの法務職業能力評価基準(レベル3 スペシャリスト、レベル4 シニア・スペシャリスト)、企業法務の能力ユニット
企業内弁護士企業に役員または従業員として勤務する弁護士日本弁護士連合会の説明、日本組織内弁護士協会の統計、法務省の司法試験の結果
法律事務所企業法務を扱う法律事務所での業務公的機関の説明はなく、転職支援会社の解説で挙げられている方向
士業(司法書士・行政書士・弁理士)登記、官公署への許認可申請、特許などの手続き法務省の司法書士試験、行政書士試験研究センター、日本弁理士会
隣接する職種(知的財産・内部監査)知的財産管理、内部監査職業能力評価基準の職務記述書、日本弁理士会、日本内部監査協会

法務の求人が求める経験年数と業務内容

法務の求人が求める経験年数は3年と5年が中心です。

対象は、AirTAが集計した2026年9月25日時点の法務の求人273件(173社)です。このうち集計対象の業務を1つ以上記載した求人は222件、求める経験年数を記載した求人は203件、両方を記載した求人は163件です。コンプライアンスに分類された求人は含みません。

経験年数は、求人票の応募条件に書かれた年数で、複数ある場合は最も長い年数です。昇進までの在籍年数とは別です。

法務の求人に記載された経験年数

経験年数を記載した求人203件のうち、3年が75件、5年が55件です。

求める経験年数求人件数(203件中)
1年11件
2年32件
3年75件
4年4件
5年55件
6年1件
7年9件
8年3件
9年1件
10年9件
12年3件

経験年数を記載した法務の求人203件の内訳です。2026年9月25日時点。

4年は4件で、3〜4年の層の大半は3年を求める求人です。

経験年数別に求人が記載する法務の業務

業務経験1〜2年(33件・29社)経験3〜4年(57件・48社)経験5年以上(73件・57社)
契約審査・作成82%(27件・24社)70%(40件・36社)68%(50件・41社)
法律相談対応58%(19件・17社)53%(30件・30社)55%(40件・34社)
コンプライアンス体制運用39%(13件・12社)42%(24件・23社)37%(27件・22社)
紛争・訴訟対応30%(10件・10社)30%(17件・16社)37%(27件・20社)
M&A・投資法務42%(14件・13社)32%(18件・18社)32%(23件・19社)
機関法務45%(15件・15社)35%(20件・19社)26%(19件・15社)
法規制・許認可対応36%(12件・11社)21%(12件・12社)25%(18件・15社)
法務オペレーション33%(11件・9社)23%(13件・11社)25%(18件・18社)
新規事業の法務検討27%(9件・8社)26%(15件・13社)18%(13件・11社)
外部弁護士対応24%(8件・7社)9%(5件・5社)18%(13件・12社)
社内規程整備15%(5件・5社)12%(7件・6社)15%(11件・11社)
法的リスク管理18%(6件・5社)12%(7件・7社)15%(11件・10社)
法務チームマネジメント12%(4件・4社)12%(7件・7社)14%(10件・8社)
知的財産管理21%(7件・6社)12%(7件・6社)11%(8件・7社)
法務研修12%(4件・4社)7%(4件・4社)11%(8件・7社)
上場準備・開示9%(3件・3社)4%(2件・2社)1%(1件・1社)

経験年数と業務内容の両方を記載した法務の求人163件を、求める経験年数で3つに分けています。割合は各層の求人件数に対する割合で、かっこ内はその業務を記載した求人件数と企業数です。2026年9月25日時点。

契約審査・作成は57件中40件(70%)と73件中50件(68%)で、どちらの層でも最も多く記載される業務です。法律相談対応は57件中30件(53%)と73件中40件(55%)、M&A・投資法務は57件中18件(32%)と73件中23件(32%)です。

経験5年以上の求人で割合が上がる業務は外部弁護士対応で、経験3〜4年の57件中5件(9%)から5年以上の73件中13件(18%)に増えます。件数が少ない業務です。

経験5年以上の求人で割合が下がる業務は、機関法務と新規事業の法務検討です。機関法務は経験3〜4年の57件中20件(35%)から5年以上の73件中19件(26%)に、新規事業の法務検討は57件中15件(26%)から73件中13件(18%)に下がります。

法務の管理職・法務部長・ジェネラルカウンセル

法務の管理職の上位の役割を、公表元はジェネラルカウンセル(GC)またはチーフリーガルオフィサー(CLO)と説明しています。

経済産業省のGC・CLOと職業能力評価基準のマネジャー

経済産業省の研究会報告書(令和元年11月19日)は、GCまたはCLOを、法務部門を統括していること、取締役・執行役・執行役員などの高位のポジションで経営陣の一員としての職責を果たしていること、経験を積んだ熟練した法律のプロフェッショナルであること、の3つを満たす人と定めています。報告書は令和元年の時点で、大企業を中心にGCまたはCLOの設置が進んでいると書いています。

厚生労働省の職業能力評価基準のレベル区分では、レベル3は中小規模組織の責任者または高度専門職として管理運営や計画作成を行う水準、レベル4は大規模組織の責任者または最高度の専門職として広範な判断と意思決定を行う水準です。事務系職種のキャリア形成の例では、スタッフ、シニア・スタッフのあと、レベル3でマネジャーとスペシャリストに分かれ、レベル4はシニア・マネジャーとシニア・スペシャリストです。マネジャーは、部門戦略を策定し、目標の達成に向けて組織を統率する役割と説明されています。

求人票が記載する次のポジションと法務チームマネジメント

求人票に次のポジションを記載した企業は17社で、マネジメントが14社、専門職が4社です(2026年9月30日時点)。1社が複数を記載する場合があるため、内訳の合計は17社を超えます。

法務チームマネジメントを業務に記載した企業は、法務の求人を出している173社のうち22社です(2026年9月25日時点)。

法務の専門領域(紛争対応・規制対応・M&A・コンプライアンス)

法務の専門領域のうち、求人票に記載する企業が多いのは、法律相談対応、コンプライアンス体制運用、機関法務、M&A・投資法務、紛争・訴訟対応、法規制・許認可対応です。

専門領域を記載する企業の数

法務の求人を出している173社のうち、契約審査・作成を記載した企業は113社です(2026年9月25日時点、求人273件)。法律相談対応が93社、コンプライアンス体制運用が67社、機関法務が59社、M&A・投資法務が55社、紛争・訴訟対応が49社、法規制・許認可対応が44社です。

同じ173社のうち、法規制・許認可対応を記載した44社では、日系企業が27社、外資系企業が17社です。外部弁護士対応を記載した24社では、日系企業が14社、外資系企業が10社です。

知的財産・内部監査など隣接する職種

知的財産管理を業務に記載した企業は、173社のうち29社です(2026年9月25日時点)。

内部監査の資格として、日本内部監査協会はCIA(公認内部監査人)を、資格認定試験に合格し、実務経験などの要件を満たした人に授与される称号と説明しています。同協会は1999年11月から日本語での受験を実施しています。

企業内弁護士・法律事務所・士業への転職

企業の法務と法律事務所の間の転職は、転職支援会社の解説で挙げられている方向です。公表元の統計で確認できるのは、企業内弁護士の人数と、弁護士、司法書士、行政書士の試験結果と登録者数です。

企業内弁護士の定義と人数

日本弁護士連合会は弁護士白書2025年版で、組織内弁護士を「官公署又は公私の団体において職員若しくは使用人となり、又は取締役、理事その他の役員となっている弁護士」(弁護士職務基本規程第50条)とし、企業内弁護士を企業の従業員、使用人、役員として職務を遂行している弁護士と説明しています。

日本組織内弁護士協会の統計では、企業内弁護士は3,756人で、企業内弁護士がいる企業は1,552社です(2026年6月、日本組織内弁護士協会調べ)。登録弁護士総数48,106人に占める企業内弁護士の割合は7.8%です(2026年6月30日現在)。

企業内弁護士が所属する企業の業種は、製造業が約27.7%で、情報・通信業が14.4%、サービス業が13.0%、証券・商品先物取引業などその他金融業が12.3%、銀行・保険業が10.1%、卸売・小売業が10.1%です(2025年6月30日現在、弁護士白書2025年版)。

令和7年司法試験の受験者は3,837人、合格者は1,581人で、合格率は41.20%です(法務省)。令和7年司法試験予備試験の最終合格者は452人です(口述試験受験者457人、令和8年2月5日)。

司法書士・行政書士・弁理士

法務省の令和7年度司法書士試験の受験者は14,418人、合格者は751人です(令和7年11月4日)。日本司法書士会連合会の会員数は、司法書士23,615名、司法書士法人1,383法人です(2026年9月1日現在)。

令和7年度行政書士試験の受験者は50,163人、合格者は7,292人で、合格率は14.54%です(行政書士試験研究センター、令和8年1月28日)。日本行政書士会連合会の会員数は、個人会員54,186人、法人会員1,719です(令和8年4月1日現在)。

日本弁理士会の会員の分布状況では、弁理士は11,897人で、主たる事務所が企業にある弁理士は2,998人(25.2%)です(2026年8月31日現在)。

法務の資格・スキルと英語

法務の求人が記載する資格は弁護士が中心で、司法書士が続きます。求人票の記載は、必須と歓迎を分けずに数えています。

求人票に記載される弁護士・司法書士

資格経験1〜2年(45件)経験3〜4年(80件)経験5年以上(85件)
弁護士31%(14件)38%(30件)49%(42件)
司法書士11%(5件)8%(6件)6%(5件)

各層の求人件数に対する、資格名を記載した求人の割合です。対象は2026年9月30日時点の法務の求人280件(175社)のうち、求める経験年数を記載した求人で、業務内容の表とは対象が異なります。

ビジネス実務法務検定と職業能力評価基準の能力ユニット

厚生労働省の職業能力評価基準は、企業法務に関連する資格・検定として、ビジネス・キャリア検定試験(企業法務1級〜3級、中央職業能力開発協会)、弁護士、司法書士、行政書士、弁理士、ビジネス実務法務検定試験(1級・2級・3級、東京商工会議所)、法学検定試験、ビジネスコンプライアンス検定を挙げています。

東京商工会議所のビジネス実務法務検定試験は、3級がビジネスパーソンとして業務上理解しておくべき基礎的法律知識を有し、問題点の発見ができる水準、2級が企業活動の実務経験があり、弁護士などの外部専門家への相談といった一定の対応ができる水準、1級が業務上必要な法務知識をビジネス全般にわたって持ち、多面的な観点から高度な判断・対応ができる水準です。2025年度の合計は、1級が実受験者521人・合格者48人(9.2%)、2級が12,779人・5,080人(39.8%)、3級が19,652人・9,352人(47.6%)です。合格率は実受験者に対する割合です。

知的財産管理技能検定は、技能検定のうち「知的財産管理」職種の国家試験で、合格者は知的財産管理技能士の国家資格を得ます。

職業能力評価基準の企業法務の能力ユニットには、契約書の作成・審査基礎、紛争処理基礎、株式会社の運営に関する法務、会社の組織再編とM&Aに関する法務、知的財産権に関する法務、民事訴訟・執行、国際法務、企業法務マネジメント、企業法務上級マネジメントなどが並びます。

英語を使う法務の求人

日常的に英語を使う業務を記載した法務の求人は、経験1〜2年では英語の記載を判定できた45件中12件(27%)、3〜4年では78件中36件(46%)、5年以上では84件中60件(71%)です(2026年9月30日時点)。

職種ごとの比較は、日常的に英語を使う求人が多い職種の集計で確認できます。

経験年数別の法務の年収

法務の求人票に記載された年収の中央値は、年収を記載した求人のうち経験3〜4年の38件で800万円です(2026年9月30日時点)。

求人票に記載された法務の年収

年収を記載した法務の求人130件(100社)では、記載された年収の中央値は750万円で、中央の半数は630万〜940万円の範囲です(2026年9月30日時点)。年収は、求人票に記載された下限と上限の中間の金額で集計しています。

経験1〜2年と5年以上は、年収を記載した求人が集計の基準に満たないため示していません。

全職種の求人票の年収レンジは、下限、上限、幅に分けて集計しています。

賃金構造基本統計調査の役職別賃金

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、役職別の所定内給与額(男女計)は次のとおりです。

役職所定内給与額(月額)
部長級635.8千円
課長級529.2千円
係長級399.2千円
非役職者310.5千円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」第8表。全職種の一般労働者のうち雇用期間の定めのない人の月額で、調査年6月分の所定内給与額の平均です。賞与を含みません。

法務の業務を職務経歴書に書く

職務経歴書の業務欄は、求人票で企業が記載している業務の名称から選んで書けます。職務経歴書ビルダーで職種に法務を選ぶと、法務の業務16項目が一覧で表示されます。名称は求人の集計と同じです。

同じ業務でも、どこまで担ったかで書き方が変わります。補佐・担当・統括の書き分けは、英文レジュメの書き方と合わせて説明しています。

作成とプレビューはアカウントなしで利用できます。PDFのダウンロードには無料のAirTAアカウントが必要です。

同じ回答から、職務経歴書と英文レジュメの両方ができます。

法務のキャリアパスのよくある質問

法務の求人は何年の経験を求めますか

経験年数を記載した法務の求人203件では、3年が75件、5年が55件です(2026年9月25日時点)。

経験1〜2年を求める法務の求人はどのくらいありますか

経験年数を記載した求人203件のうち、1年が11件、2年が32件です(2026年9月25日時点)。

法務の求人に多い業務は何ですか

契約審査・作成です。法務の求人を出している173社のうち113社が記載しています(2026年9月25日時点)。法律相談対応が93社、コンプライアンス体制運用が67社で続きます。

法務の求人は弁護士資格を記載していますか

弁護士を記載した求人は、経験3〜4年で80件中30件(38%)、5年以上で85件中42件(49%)です(2026年9月30日時点)。必須と歓迎は分けていません。

企業内弁護士は何人いますか

日本組織内弁護士協会の統計では、企業内弁護士は3,756人で、登録弁護士総数48,106人の7.8%です(2026年6月30日現在)。

法務に関連する資格にはどのようなものがありますか

厚生労働省の職業能力評価基準は、ビジネス・キャリア検定試験(企業法務)、弁護士、司法書士、行政書士、弁理士、ビジネス実務法務検定試験、法学検定試験、ビジネスコンプライアンス検定を挙げています。

現在公開されている法務の求人は、次の一覧で確認できます。

法務の求人

絞り込み条件に一致する募集中の正社員求人276件。いずれも各社の採用ページから取得しています。 2026年10月2日時点 · 2026年8月1日から毎日確認

条件を登録して、スカウトを受け取る

登録は無料です。条件を決めて非公開のまま待ち、条件を記載したスカウトだけを受け取れます。

関連記事