転職で年収アップは難しいのか(求人票の年収レンジ1万件)

1,020社31,791件の求人から、年収レンジを明記した10,775件の下限・上限・幅を下限の帯、職種、職位ごとに数えました。

Daniel Smith2026年9月17日更新日 2026年9月17日20分

年収レンジを明記した求人10,775件では、下限の中央値は550万円、上限は900万円、幅は300万円です。転職で年収が上がるかどうかは求人票では測れず、この幅は入社時の金額ではありません。測れるのは、いまの年収が各職種の下限と上限のどちら側にあるかです。日本の484社が採用ページで公開する正社員求人を、下限の帯、職種、職位の別に数えました(2026年9月17日時点)。年収レンジを明記した求人の97.5%は日系企業の求人です(外資系企業の定義と社数)。

年収レンジの下限の中央値は550万円、上限は900万円、幅は300万円

年収レンジの下限は求人票に書かれた年収の最低額、上限は最高額です。年収レンジを明記した求人10,775件(484社)では、下限の中央値は550万円、上限の中央値は900万円、幅の中央値は300万円です(2026年9月17日時点)。

幅は、求人票に書かれた年収の上限から下限を引いた金額です。幅は求人票についての事実で、その職種の中央値でも、入社時に決まる金額でも、入社後の昇給でもありません。

対象は、日本の1,020社が採用ページで公開する正社員求人31,791件です。このうち、年収の記載があり、上限と下限の逆転がなく、年収レンジの中間値が250万円から3,000万円の間にある求人は12,524件(517社)で、中間値の取り方は給与の集計方法と同じです。年収を一つの金額で書く求人は1,544件(226社、12.3%)で、この求人では幅を読めません。

幅の四分位は200万円と500万円で、幅200万円以上の求人は8,750件(81.2%)、500万円以上は2,771件(25.7%)、100万円以下は719件(6.7%)です。上限÷下限の中央値は1.57です。

10,775件のうち10,501件(470社、97.5%)は日系企業の求人で、外資系企業の求人は240件(11社)です。年収を明記する求人は日系企業で51.2%(23,982件中12,281件)、外資系企業で3.4%(7,628件中257件)で、この差のため外資系企業の年収はこの集計では測れません。

下限が600万円以上の求人は46.2%、上限は下限の1.5〜1.6倍

求人票で測れるのは、下限がいまの年収を上回る求人が何件あるかです。この集計は求人票に書かれた金額だけを数えています。下限600万円以上の求人は4,980件(46.2%)、800万円以上は1,649件(15.3%)、1,000万円以上は481件(4.5%)です。上限の側では、上限600万円未満の求人が1,313件(12.2%)、1,000万円未満が6,172件(57.3%)です。

上限÷下限の中央値は、下限が400万円未満の帯で1.50、400〜599万円で1.60、600〜799万円で1.57、800〜999万円で1.50、1,000万円以上で1.50です。下限が高い求人ほど幅も広くなります。上限が下限の2倍以上の求人は1,913件(17.8%)です。

下限の帯件数・社数下限・上限の中央値幅の中央値上限÷下限の中央値上限が下限の2倍以上下限がこの帯以上の件数(割合)
400万円未満1,331件・200社350万円・500万円166万円1.5016.0%10,775件(100%)
400〜599万円4,464件・392社500万円・800万円300万円1.6021.0%9,444件(87.6%)
600〜799万円3,331件・352社650万円・1,000万円400万円1.5716.8%4,980件(46.2%)
800〜999万円1,168件・226社800万円・1,300万円405万円1.5011.3%1,649件(15.3%)
1,000万円以上481件・127社1,050万円・1,600万円500万円1.5015.4%481件(4.5%)

年収レンジを明記した求人10,775件を下限の帯で分けています。2026年9月17日時点。

同じ企業が同じ年収レンジで20件以上公開している求人は1,575件(14.6%、43組・38社)で、最も多い1組は100件、次が91件です。そうした求人の上限は、その企業に共通の金額です。

転職エージェント各社の記事では、転職後に年収が増えるかどうかは応募者の年齢や経験、交渉で説明されることが多くあります。求人票の下限と上限を横断して数えたデータは、それらの記事にはありません。

職種別では上限が下限の2倍以上の求人の割合が60.5%から0%まで開く

ここでの職種は求人票の部門分類で、分類の方法は職種別の内訳と同じです。表は年収レンジを明記した求人が50件以上ある56職種を、上限が下限の2倍以上の求人の割合の高い順に並べています。最多の1社が占める割合が25%以上の職種は社名を併記しています。

幅を万円で比べることは多くの場合、下限を比べることと同じです。上限が下限の2倍以上の求人の割合は、1.5〜1.6倍の慣行から外れる求人がその職種にどれだけあるかを示します。戦略コンサルティングは81件(30社)のうち49件(60.5%)で、下限の中央値は710万円、上限は1,600万円です。経営コンサルティングは254件(77社)の43.3%、フィールドサービスは66件の37.9%です。件数が最も多い営業1,102件(262社)では11.3%で、下限の中央値500万円、上限800万円、幅300万円、最多の1社は3.3%です。事務・管理部門83件では2.4%、臨床研究121件では0.0%です。

年収レンジにインセンティブが含まれるかは求人ごとに違い、この集計では区別していません。上限が1,000万円に届く求人の割合は年収1,000万円に届く求人の職種別の割合で扱っています。

職種上限が下限の2倍以上の割合件数・社数下限の中央値上限の中央値幅の中央値最多の1社が占める割合
戦略コンサルティング60.5%81件・30社710万円1,600万円755万円29.6%(アビームコンサルティング株式会社)
経営コンサルティング43.3%254件・77社600万円1,125万円500万円9.8%
フィールドサービス37.9%66件・29社500万円800万円380万円16.7%
デザイン・クリエイティブ36.5%203件・67社450万円900万円360万円16.7%
モバイルアプリ開発30.8%52件・35社550万円1,000万円400万円11.5%
ソリューションアーキテクチャ29.3%92件・46社690万円1,200万円475万円15.2%
フロントエンドエンジニアリング29.0%100件・64社550万円900万円400万円6.0%
製品開発28.0%75件・41社530万円916万円400万円12.0%
ITコンサルタント28.0%50件・21社788万円1,263万円453万円16.0%
M&A・企業買収28.0%50件・32社700万円1,275万円500万円24.0%
電気設計27.6%87件・25社500万円890万円340万円14.9%
AI・機械学習26.9%197件・89社700万円1,200万円400万円7.6%
フルスタックエンジニアリング25.5%94件・67社604万円1,200万円400万円5.3%
データサイエンス25.4%126件・68社650万円1,100万円400万円4.8%
バックエンドエンジニアリング24.6%211件・111社600万円1,009万円400万円3.3%
機械設計23.3%116件・29社530万円902万円350万円11.2%
ハードウェアエンジニアリング21.1%90件・25社590万円1,000万円400万円13.3%
プロダクトマネジメント20.6%272件・133社715万円1,200万円496万円4.8%
デジタルマーケティング20.3%217件・99社500万円800万円300万円6.9%
ソフトウェアエンジニアリング19.9%592件・175社570万円928万円344万円3.7%
施工管理19.6%102件・27社540万円800万円350万円21.6%
事業開発18.7%294件・142社650万円1,085万円400万円5.1%
経営企画18.4%217件・127社650万円1,050万円400万円4.1%
セキュリティ18.1%160件・79社695万円1,100万円400万円6.9%
データエンジニアリング17.6%125件・74社600万円1,000万円400万円8.8%
経営幹部・事業責任者17.5%63件・46社800万円1,300万円500万円6.3%
研究開発17.3%98件・35社570万円939万円350万円14.3%
品質保証16.7%72件・31社520万円890万円300万円12.5%
マーケティング16.5%188件・100社550万円900万円300万円3.2%
オペレーション15.5%84件・63社500万円800万円283万円7.1%
プロジェクトマネジメント15.0%120件・76社600万円1,000万円321万円5.0%
クラウドインフラ14.6%308件・114社530万円900万円320万円6.8%
UXデザイン14.4%90件・57社600万円900万円345万円8.9%
カスタマーサービス14.0%86件・44社415万円600万円196万円9.3%
カスタマーサクセス13.9%208件・84社550万円800万円300万円6.7%
ファシリティマネジメント13.8%58件・25社489万円700万円170万円15.5%
DevOps・SRE13.6%125件・69社650万円1,000万円400万円10.4%
生産・製造13.6%110件・40社400万円600万円208万円10.0%
ITプロジェクトマネージャー12.6%198件・70社671万円1,000万円350万円11.6%
採用12.6%119件・73社500万円800万円250万円5.9%
QAエンジニア・テスト12.5%88件・49社600万円1,000万円374万円14.8%
生産技術11.5%139件・41社504万円830万円340万円10.8%
セールスオペレーション11.5%52件・39社500万円800万円250万円7.7%
営業11.3%1,102件・262社500万円800万円300万円3.3%
アカウントマネジメント11.0%73件・37社690万円1,000万円400万円8.2%
法務10.7%112件・90社600万円900万円300万円2.7%
経理10.2%177件・120社600万円850万円250万円2.8%
設備保全・信頼性技術10.0%70件・36社496万円750万円300万円11.4%
情報システム8.2%134件・85社500万円800万円300万円12.7%
広報・PR7.5%53件・38社504万円800万円266万円11.3%
コンテンツ制作・映像制作6.8%73件・50社450万円708万円234万円12.3%
人事6.5%139件・90社531万円800万円280万円5.8%
事務・管理部門2.4%83件・54社400万円600万円150万円4.8%
店舗運営・店長1.5%205件・27社355万円450万円95万円48.8%(株式会社ドトールコーヒー)
臨床研究0.0%121件・7社450万円500万円99万円49.6%(シミックホールディングス株式会社)
調理52件・6社465万円552万円101万円1社に集中

年収レンジを明記した求人の97.5%は日系企業の求人で、表は日系企業が求人票に書く年収レンジを示しています。最多の1社が50%以上の職種は割合を出していません。職種の分類がない求人597件は表の対象外です。2026年9月17日時点。

職位を明記した1,297件の幅はエントリー190万円、シニア480万円

職位をタイトルに明記した求人は1,297件で、年収レンジを明記した求人の12.0%です。職位をタイトルに書く求人の割合は別の記事で扱っています。職位の記載がない求人9,478件(474社)では、下限の中央値550万円、上限900万円、幅300万円で、全体と同じです。

担当者の段階では、上限÷下限の中央値はエントリー1.41、ジュニア1.60、シニア1.63です。管理職の段階では、リード、マネージャー、ディレクターのいずれも1.50です。同じ職位グループで比べた給与差のシニアとリードをまとめた区分とは別の切り方です。

担当者の段階

段階件数・社数下限の中央値上限の中央値幅の中央値上限÷下限の中央値
エントリー291件・130社427万円600万円190万円1.41
ジュニア54件・34社500万円750万円300万円1.60
シニア290件・112社768万円1,212万円480万円1.63
プリンシパル6件

管理職の段階

段階件数・社数下限の中央値上限の中央値幅の中央値上限÷下限の中央値
リード266件・101社600万円900万円300万円1.50
マネージャー344件・161社700万円1,100万円350万円1.50
ディレクター33件・23社900万円1,300万円400万円1.50
役員8件

職位をタイトルに明記した求人のうち年収レンジを明記したもの(1,297件、年収レンジを明記した求人の12.0%)について、下限・上限・幅の中央値と、上限÷下限の中央値です。担当者の段階(エントリー、ジュニア、シニア、プリンシパル)と管理職の段階(リード、マネージャー、ディレクター)は別の並びで、シニアがマネージャーの下という順序ではありません。エントリーはタイトルに未経験または新卒の記載がある求人です。職位の記載がない求人9,478件は対象外で、経験年数の中間を表す区分ではありません。プリンシパル(6件)と役員(8件)は件数のみです。2026年9月17日時点。

シニアの290件は、ソフトウェアエンジニアリング28件、プロダクトマネジメント25件、バックエンドエンジニアリング24件の順で、エンジニアリングとプロダクトの職種が中心です。マネージャーの344件は、エンジニアリングマネジメント31件、営業21件、経理14件の順で、営業や経理を含む幅広い職種に分かれます。

タイトルにマネージャーまたはManagerを含む求人が322件、課長を含む求人は8件です。ディレクター33件のうち22件はタイトルに部長を含みます。VPの5件はどちらの並びにも入れていません。社内での役職の変更は求人票には現れません。

求人票の年収レンジは、いまの年収と下限、いまの年収と上限の二つを比べるための数字です。いまの年収が下限より下にあるなら、その求人票は下限の金額でもいまの年収を上回る金額を書いています。レンジの中にあるなら、その求人票はいまの年収を含む幅を書いており、提示額がレンジのどこに置かれるかは求人票には出ません。上限より上にあるなら、その求人票の上限はいまの年収に届いていません。三つとも求人票に書かれた金額についての事実で、その職種の中央値でも、入社後の金額でもありません。業界別と資本別の給与差は別の集計で扱っています。

厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」では、転職入職者のうち前職と比べて賃金が「増加」した割合は40.5%、「減少」した割合は29.4%です。「1割以上の増加」は29.4%です。転職した人の賃金の集計と、求人票の下限と上限の集計は、対象も分母も別の数字です。

下限の帯、職種、職位の行を一つずつ読めば、下限がいまの年収を上回る求人が今日何件あるかまで分かります。その件数は各職種の求人ページで毎日更新され、転職した人の割合からは読み取れません。

下限がいまの年収を上回る求人を職種で探す場合、職種の表の各行から各職種の求人ページを開けます。各職種の求人ページには「年収」の絞り込みがあり、記載されている年収が800万円以上の求人だけを表示できます。閲覧は無料で、アカウント登録は必要ありません。

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