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英語は転職とキャリアアップに役立つのか(日系はマネージャーまで英語の記載4〜16%、2026年データ)

32,715件の求人を職位と資本別に集計してわかった、英語が転職とキャリアアップのどの段階で差になるかです。

Daniel Smith•2026年9月3日•更新日 2026年10月23日•9分

日系企業の求人で「日常的に英語を使用」と記載しているのは、エントリーで3.6%、マネージャーでも16.0%、ディレクターで29.2%(106件)です。シニアの10.6%とリードの12.5%を含めても、マネージャーまでは4〜16%の範囲に収まります。外資系企業では、エントリーで29.9%、マネージャーで45.3%です。日本で公開されている求人32,715件のうち、職位をタイトルに明記した求人(判定済みの約21%)を企業の資本と職位で分けた集計です(1,135社、2026年10月21日時点)。

英語はキャリアアップに役に立つのか。英語力とキャリアの関係を求人票のデータで見ると、転職に有利かどうかは応募先の資本で分かれます。英語が差になるのは、応募できる会社の範囲が変わる場面で、いまの会社で職位を上げる場面ではその差は小さくとどまります。

【職位別】英語を求める求人の割合(外資系と日系)

外資系企業の求人では、シニアの47.3%(571件・191社)からディレクターの69.6%(332件・131社)までが「日常的に英語を使用」(レポートの「ビジネスレベルの英語」区分と同じ)と書いています。日系企業で同じ区分に入るのは、マネージャーの求人864件・240社のうち16.0%で、20%を超えるのはディレクターの29.2%(106件・50社)だけです(2026年10月21日時点)。

職位日系 日常的に英語を使用件数・社数外資系 日常的に英語を使用件数・社数
エントリー3.6%740件・232社29.9%77件・33社
シニア10.6%518件・156社47.3%571件・191社
リード12.5%1,467件・250社52.9%333件・107社
マネージャー16.0%864件・240社45.3%1,172件・245社
ディレクター29.2%106件・50社69.6%332件・131社

職位をタイトルに明記した求人のみ(判定済みの約21%)、2026年10月21日時点。

「一部で英語を使用」を含めた何らかの英語の記載ありで見ても、どの職位でも外資系が日系を上回る点は変わりません。日系はエントリーからディレクターの順に13.1%、34.4%、31.2%、37.2%、50.0%、外資系は55.8%、89.8%、86.2%、84.6%、96.7%です。

職位別の英語要件を資本を分けずに集計すると、外資系の比重が高くなります。外資系は職位をタイトルに書く求人が多く(40.4%対15.8%)、シニア以上の行では外資系が過半数を占めるためです(シニア52.4%、マネージャー57.6%、ディレクター75.8%)。全体で見える「職位が上がるほど英語要件が増える」曲線の多くは、上の職位ほど外資系の求人が混ざる割合が増えることで生まれています。資本ごとに分けると、日系の割合はマネージャーまで3.6%から16.0%の範囲にとどまります。

職位で変わる求人票の英語を使う場面

求人票が挙げる英語の場面は、職位とともに読解から海外とのやり取りへ、さらに交渉とプレゼンテーションへ移ります。エントリー・ジュニアの求人1,108件では、英文資料の読解と海外拠点との日常的なやり取りがともに6.6%(73件)、会議での聞き取りが3.1%(34件)で、30件以上あるのはこの三つだけです。マネージャー以上の3,080件では、海外とのやり取りが21.7%(668件)、プレゼンテーションが6.1%(189件)、交渉が5.6%(173件)です(2026年10月21日時点)。

シニア・リードの3,175件はその中間にあります。海外とのやり取りが13.3%(423件)、読解が8.4%(268件)で、会議での聞き取り4.0%(128件)、プレゼンテーション3.6%(113件)、メールやチャット3.5%(110件)、交渉3.3%(105件)、会議での発言2.9%(93件)が続きます。

マネージャー以上では、読解8.3%(257件)、会議での聞き取り5.6%(171件)、会議での発言3.4%(106件)、メールやチャット3.0%(93件)のほかに、英語でのマネジメントが1.0%(32件)で初めて30件を超えます。ディレクターだけを取り出すと(495件)、海外とのやり取りが33.9%、プレゼンテーションが14.1%(70件)、交渉が7.9%(39件)です。

場面を一つでも書いている求人の割合は、エントリー8.1%(839件)、シニア28.3%(1,244件)、マネージャー31.6%(2,342件)、ディレクター47.1%(495件)です。これは英語の使用度合いを判定できたかどうかを問わず、タイトルに明記された求人全体に対する割合で、前の節の割合とは分母が違います。

場面が書かれた求人は、日常的に英語を使用する求人の一覧から各社の求人に進むと、職務内容の欄で確認できます。

英語要件で年収に差はあるか(求人票の提示額で比較)

求人票の提示額の比較であり、英語を学んだ人の年収の変化を追ったものではありません。同じ職位グループの日系企業の求人で比べると、英語要件を記載した求人の給与中央値は、記載のない求人よりエントリー・ジュニアで45%(725万円対500万円、85件対453件)、シニア・リードで9%(955万円対875万円、255件対931件)、マネージャー以上で19%(1,075万円対900万円、146件対378件)高くなっています(2026年10月21日時点)。

職位英語要件の記載なし何らかの英語の記載ありプレミアム
エントリー・ジュニア500万円(453件)725万円(85件)45%
シニア・リード875万円(931件)955万円(255件)9%
マネージャー以上900万円(378件)1,075万円(146件)19%

日系企業の求人のみ。職位グループごとに、英語要件の記載がない求人と何らかの英語要件を記載した求人の給与中央値(レンジの中間値)を比較。中央値は1万円単位に丸めています。

同じ職位グループの中で、英語要件の記載がある求人とない求人を比べているため、職位の高さそのものは差に含まれません。ただし、職種の構成までは揃えていません。

資本を分けずにマネージャー以上を英語の使用度合いで分けると、「一部で英語を使用」の求人の給与中央値は1,015万円(103件)で「英語の記載なし」の900万円(402件)を上回り、「日常的に英語を使用」の求人は1,070万円(88件)です。差はどちらの区分にも残ります。

外資系では、給与を明記し職位もタイトルに書いた求人のうち英語要件の記載がないものが各グループで30件未満のため、職位別の中央値は出していません。

転職エージェント各社の記事では、英語力が年収アップにつながる例が紹介されることがあります。求人票を横断して集計したデータがこれまで存在しなかったため、経験則がそのまま広まってきた形です。転職で給与中央値の差が最も大きいのは日系の若手で、シニア・リードでは縮み、マネージャー以上でも残ります。

英語のキャリアアップを考える前に求人票で確認すること

求人票で読むのは、会議が英語で行われるか、資料が英語か、やり取りの相手が国内か海外か、という職務内容の記述です。要件の欄だけでは、その場面は分かりません。

記載がないことは求人票についての事実で、入社後に英語を使う場面がないことまでは保証しません。

職位の名称は各社がタイトルに書いたものをそのまま使っており、会社をまたいで一つの序列に並ぶものではありません。英語面接があるかどうかは企業ごとの選考設計で決まり、要件の欄からは読めません。TOEICのスコアを挙げる求人がどれだけあるかは、TOEICスコア別の求人件数で確認できます。

求人票を読む順番は、職務内容の欄が先で、スコア欄は後です。英語がキャリアアップのどの段階で差になるかは、応募先の資本を決めてから求人を読むと確認できます。応募先を決める前の英語は、どの集計にも当てはめようがありません。

外資系企業の求人を業界、職種、英語の使用度合いで絞り込んだ一覧があります。英語の使用度合いは各求人票の記載から判定しており、判定できた求人のみを対象としています。応募は各社のサイトで行います。

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