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試用期間とは?長さ・給料・本採用拒否(2026年)

各社の採用ページに掲載された日本語の求人18,684件(773社)から、試用期間の長さ、期間中の条件の書き方、試用期間なしの件数を数え、法律と最高裁判決で本採用拒否と退職のルールを整理しました。

Daniel Smith•2026年10月13日•更新日 2026年10月14日•12分

試用期間(しようきかん)とは、入社後に本採用するかどうかを企業が判断するための試験的な使用期間で、就業規則や労働契約で定められます。各社の採用ページに掲載された日本語の求人18,684件(773社)のうち、試用期間の長さを書いた企業は371社で、258社が3ヶ月、97社が6ヶ月と書いています(2026年10月時点)。企業ごとに見た長さの中央値は3ヶ月です。

試用期間中も労働契約は成立している

三菱樹脂事件(最高裁 昭和48年12月12日判決)は、本採用拒否を「留保解約権の行使、すなわち雇入れ後における解雇にあたり」、通常の雇入れの拒否と同視することはできないとしました。試用期間中の人は、すでに労働契約を結んで雇われている労働者です。

同判決は、解約権の留保を、採用決定の時点では調べきれない事項について「後日における調査や観察に基づく最終的決定を留保する趣旨」と説明しています。

労働政策研究・研修機構(JILPT)が2012年に常用労働者50人以上の民間企業に行った調査(2014年公表)では、86.9%の企業が試用期間を設けていると答えています。

解約権留保付労働契約(会社が解約する権利を残した契約)

最高裁は、この事件の契約を「解約権留保付の雇傭契約」とした原審の判断を是認しました。この判断は、その会社の就業規則と採用の実態から契約の性質を認めたもので、すべての試用期間に同じ性質を認めた判決ではありません。この事件(判決は1973年)の原告は、大学卒業と同時に「三か月の試用期間を設けて採用された」新卒者でした。

研修期間との違い(名称より実態で判断)

研修期間は、企業が使う名称の一つです。厚生労働省の最低賃金の減額特例の許可基準は、試用期間にあたるかを「その名称の如何を問わず、実態によって」判断するとしています。これは減額特例を適用するときの基準です。

求人に書かれた試用期間の長さは3ヶ月が最多、次いで6ヶ月

試用期間の長さを書いた求人は6,212件(371社)で、日本語の求人の33.2%、企業の48.0%です(2026年10月時点)。掲載している求人の数は企業によって大きく異なるため、企業ごとに、求人に最初に書かれた長さを1つ数えています。

長さ企業(最初に書かれた長さ)割合
3ヶ月258社69.5%
6ヶ月97社26.1%
2ヶ月7社–
4ヶ月4社–
1ヶ月3社–
2週間1社–
12ヶ月1社–

試用期間の長さを書いた企業371社。日本語の求人18,684件(773社)。2026年10月時点。

求人の件数で数えると、3ヶ月と書いた求人は4,429件(265社)で、長さを書いた求人の71.3%です。6ヶ月は1,442件(113社)、23.2%です。1ヶ月は146件、2ヶ月は103件、4ヶ月は36件、2週間または14日間は3件です。求人ごとに数えた企業数は、同じ企業が複数の長さを書いている場合に重なります。

JILPTの同じ調査(2012年、常用労働者50人以上の民間企業、2014年公表)で、中途採用の試用期間の長さを答えた企業4,688社では、「3ヵ月程度」が65.7%、「6ヵ月程度」が16.5%でした。調査の対象と単位は、求人の集計と異なります。

【資本別】外資系企業では3ヶ月と6ヶ月がほぼ同数

試用期間の長さを書いた外資系企業40社のうち、3ヶ月と書いた企業は20社(50.0%)、6ヶ月は19社(47.5%)、1ヶ月は1社です(2026年10月時点)。日系企業321社では、3ヶ月が233社(72.6%)、6ヶ月が73社(22.7%)です。

長さを書いた企業の割合は、日系企業が534社のうち321社(60.1%)、外資系企業が185社のうち40社(21.6%)です。

この集計は日本語で書かれた求人だけを数えた値で、英語で書かれた求人は含みません。日系企業と外資系企業の分け方は外資系企業の定義と社数にあります。

試用期間の長さに法律の上限はない(1年と延長)

厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)の解説は、「試用期間を設ける場合にその期間の長さに関する定めは労基法上ありませんが、労働者の地位を不安定にすることから、あまりに長い期間を試用期間とすることは好ましくありません。」と書いています。三菱樹脂事件の最高裁判決も、解約権を留保する約款の効力を「一定の合理的期間の限定の下に」認めています。

12ヶ月と書いた求人は53件で、1社の求人です。

延長の可能性を書いた求人もあります。書き方の例は「延長する場合、通算6ヶ月まで」です。

JILPTの同じ調査(2012年、常用労働者50人以上の民間企業、2014年公表)では、中途採用の試用期間を7ヵ月程度から1年程度と答えた企業は2.1%、1年超は0.3%でした(4,688社)。試用期間を延長することがある企業は44.0%、延長はしないと答えた企業は54.9%です(5,183社)。

試用期間中の給料と待遇は契約の条件と法律で決まる

試用期間中も労働契約は結ばれているため、期間中の給料と雇用形態は、雇用契約書などその契約に書かれた条件で決まります。労働基準法15条1項は、使用者が労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならないと定めています。

「本採用と同条件」と書く求人、異なる条件を書く求人

本採用と同じ条件と書いた求人は2,650件(162社)、異なる条件を書いた求人は491件(56社)です(2026年10月時点)。求人の割合では14.2%と2.6%、企業の割合では21.0%と7.2%です。同じ条件と異なる条件の両方を書いた求人は127件(17社)です。

同じ条件の書き方は、「試用期間中の待遇に変更はございません」のような一文です。異なる条件の書き方には、雇用形態(「試用期間3カ月は契約社員」)、手当(「試用期間中は支給なし」)、勤務場所(「試用期間中は要出社、4ヵ月目以降からハイブリットワーク可」)、休暇(「試用期間終了後に7日付与」)などがあります。勤務場所の書き方はリモートワークの方針で集計しています。

職業安定法施行規則4条の2第6項は、試用期間中の業務の内容や労働条件が期間後と異なる場合、それぞれを示すよう求めています。厚生労働省の労働条件の明示に関するリーフレットの記載例は「月給 25万円(ただし、試用期間中は月給20万円)」です。

残業代と有給休暇は試用期間中も労働基準法どおり

労働基準法37条は、時間外、休日、深夜の労働に割増賃金(残業代)を定めており、試用期間中の者を除く定めはありません。「試用期間中は固定残業代なし」と書いた求人もあります。

有給休暇は、労働基準法39条1項により「その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者」に10労働日が与えられます。厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)第6条は「試用期間は、勤続年数に通算する。」と定めていますが、就業規則の定めは会社ごとに異なります。付与日数は有給休暇の付与日数にあります。

最低賃金法7条2号は、「試の使用期間中の者」について、都道府県労働局長の許可を受けたときに最低賃金の減額を認めています。減額率は最低賃金法施行規則5条で2割以下、許可の期間は厚生労働省の許可基準で最長6ヶ月です。この6ヶ月は減額の許可に付く期間で、試用期間の長さを定めたものではありません。

本採用拒否には客観的に合理的な理由が必要

本採用拒否(本採用の見送り)は雇入れ後の解雇にあたるため、解雇のルールが適用されます。

三菱樹脂事件の最高裁判決が示した基準

労働契約法16条は、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定めています。解雇に共通する基準です。

三菱樹脂事件の最高裁判決は、留保解約権に基づく解雇について、「通常の解雇と全く同一に論ずることはできず、前者については、後者の場合よりも広い範囲における解雇の自由が認められてしかるべき」としたうえで、その行使は「客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許される」と判示しました。

判決が挙げた場合は、採用決定後の調査や「試用中の勤務状態等により」、「当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実」を会社が知るに至った場合です。その事実に照らして雇い続けるのが適当でないと判断することが客観的に相当と認められるときに、解約権を行使できるとしています。

入社14日を超えると解雇予告か予告手当が必要

労働基準法20条1項は、解雇の少なくとも30日前の予告か、30日分以上の平均賃金の支払いを使用者に求めています。21条は「試の使用期間中の者」をこの規定の適用外としたうえで、「十四日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない」と定めています。試用期間中の者でも、14日を超えて引き続き雇われた後の解雇には、20条の予告(30日前)または予告手当が必要です。

14日の定めは予告の手続きに関するものです。解雇に客観的に合理的な理由が必要という基準は、入社14日以内でも変わりません。

試用期間中の退職は申し入れから2週間で雇用が終わる

民法627条1項は、「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」と定めています。期間の定めのない雇用で試用期間中に退職を申し入れた場合も、この条文の対象です。

試用期間中だけ契約社員などの有期契約で雇う求人では、その期間は期間の定めのある雇用で、627条1項の対象になりません。

試用期間は募集時に明示する事項で、「なし」と書く求人もある

職業安定法施行規則4条の2第3項第2号の2は、「試みの使用期間に関する事項」を、労働者の募集にあたって明示する労働条件の一つに挙げています。厚生労働省のリーフレットの記載例は「試用期間あり(3か月)」です。

試用期間について書いた求人は6,657件(398社)で、日本語の求人の35.6%、企業の51.5%です(2026年10月時点)。

試用期間なしと書いた求人は164件(13社)です。書き方は「【試用期間】なし」のような一行です。

求人に試用期間の記載がないことは、試用期間がないことを意味しません。条件が求人とは別の書面に書かれていることもあります。

AirTAの各求人ページには、企業が採用ページに書いた募集要項の本文をそのまま掲載しています。試用期間の長さや期間中の条件は、書かれていればその本文で確認できます。試用期間の有無や長さで求人を絞り込む機能はありません。

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