転職で年収が下がる主な理由は、役職や職種が変わることと、手当・賞与・残業代といった給与の内訳が前の会社と違うことです。厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、2025年に転職した人のうち前職より賃金が減少した人は31.0%、1割以上減少した人は21.9%でした。以下の記載率は、AirTAが集計した日本語の求人票26,141件(866社、2026年10月12日時点)のうち、各項目を記載した求人の割合です。新卒向けと店舗運営・調理の求人は除いています。
転職で年収が下がる主な理由
転職で給料が下がる理由は、次の4つに分けられます。
- 手当がなくなる・減る
- 賞与の決まり方が変わる
- 残業時間・残業代が変わる
- 役職・企業規模・職種・勤務地が変わる
このうち1から3は、求人票にその項目の記載があるかどうかを数えられます。
住宅手当・家族手当など月給以外の手当
住宅手当・家賃補助・社宅・寮のいずれか(住宅支援)を記載した求人票は21.6%(5,657件・192社)です。記載のない求人が支給しないとは限りません。
日系企業の求人票では25.2%(5,425件・163社)、外資系企業では3.0%(115件・19社)です。外資系の数字に英語の求人票は入っていません。外資系企業の定義と社数は別に整理しています。
家族手当・扶養手当・子ども手当などの記載は12.8%(3,340件・85社)です。手当は月給とは別の項目のため、前の会社で受け取っていた手当が次の会社の給与体系にない場合、その額がそのまま年収ダウンになります。
退職金・企業年金(DB/DC)の記載は24.2%(6,335件・265社)で、日系27.0%(5,799件・189社)、外資系10.1%(388件・61社)です。退職金は年収に含まれませんが、転職で変わる条件の一つです。
賞与の決まり方(月数・業績連動)
賞与が業績や評価で変動すると書いた求人票は16.4%(4,278件・208社)、賞与の月数(◯か月分)を書いた求人票は6.2%(1,630件・97社)です。
前の会社が月数で定めていて、次の会社が業績や個人の評価で決める場合、月給が同じでも年収は年によって変わります。
残業時間と残業代(固定残業代)の変化
固定残業代・みなし残業の記載がある求人票は19.7%(5,141件・310社)です。固定残業代を含む月給では、月給に占める固定残業代の割合によって基本給の額が変わります。
残業時間が短くなれば残業代の分だけ収入が減り、月給が同じでも年収は下がります。固定残業代の時間数に満たない範囲では、残業時間が減っても月給は変わりません。
役職・企業規模・職種・勤務地の変化
役職が変わると役職手当と等級が変わり、企業規模が変わると給与テーブルと手当の体系が変わります。どちらも転職で給与が下がる理由ですが、求人票からは測れません。企業規模による固定残業代の記載の違いは、求人票の固定残業代の時間数で従業員数ごとに示しています。
職種や業種が変わる転職では、新しい職種での経験年数をもとに給与の等級が決まる場合があります。勤務地が変わると、地域手当や住宅手当の額も変わります。
賃金が減少した人の割合は年代によって異なります。年代別の転職で賃金が増加した人の割合は、厚生労働省の調査から別に掲載しています。
【職種別】住宅手当・社宅などの記載率
住宅支援の記載率は、33職種のあいだで建築・土木設計の59.2%からアカウントマネジメントの14.1%まで開きがあります。求人件数が最も多い営業(2,618件・530社)では16.7%です。
出典:AirTA。日本語の求人票26,141件・866社(新卒向けと店舗運営・調理の求人を除く)のうち、求人が50件・10社以上、住宅支援の記載が30件・5社以上、最多の1社が記載の25%未満の33職種。2026年10月12日時点。並び順は記載率で、年収の順位を示していません。
ソフトウェアエンジニアリング、クラウドインフラ、ITプロジェクトマネージャー、研究開発は、記載率に関係なく、1社の求人が記載の25%以上を占めるため表から外しています。
住宅支援の記載は主に日系企業の求人票にあるため、各職種の記載率にはその職種の日系・外資系の構成も反映されています。
求人票で入社前に確認できる年収の内訳
求人票では、記載された年収に何が含まれるか、前職の給与を考慮するか、試用期間中の条件が同じかを入社前に確認できます。
「想定年収」と書かれた年収に含まれるもの
想定年収は、会社が求人票に示す1年間の支給額の見込みで、「想定年収」「理論年収」「年収例」「目安」などと書かれます。年収が記載された16,110件(561社)のうち、これらの表記がある求人票は37.9%(6,098件・305社)です。年収の記載がある求人票は日系企業で71.6%、外資系企業で13.7%のため、この割合は主に日系企業の求人票を示しています。
記載の年収に賞与が含まれるかは、給与欄の「年収には賞与を含む」「月給×12か月+賞与」「年収の1/14を毎月支給」といった文で分かります。残業代は「固定残業代◯時間分を含む」「月20時間の残業を想定」といった書き方です。こうした記載がなければ、賞与や残業代が年収に入っているかは求人票からは分かりません。
若者雇用促進法に基づく指針は、固定残業代を賃金に含める場合、固定残業代を除いた基本給の額、固定残業代の時間数と金額などの計算方法、その時間を超えた分の割増賃金を追加で支払うことの明示を求めています。
年俸制と書かれた求人は、残業代の扱いと分割回数の書き方を別に集計しています。
前職の給与を考慮すると書いた求人
前職(現職)の給与・年収を考慮すると書いた求人票は8.2%(2,137件・112社)です。記載があっても、提示される額が前職と同じになるかどうかは求人票からは分かりません。
試用期間中の給与と条件
試用期間中も条件は同じと明記した求人票は15.6%(4,088件・205社)です。転職初年度の年収が下がるかどうかには、試用期間中の条件も関わります。
各求人ページでは企業が採用ページに書いた募集要項の本文を読めるため、記載の年収に賞与や残業代が含まれるか、住宅手当や退職金の記載があるかを応募前に確かめられます。手当や賞与の有無で求人を絞り込む機能はありません。記載されている年収が800万円以上の求人の一覧です。
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よくある質問
転職で年収が下がると、翌年の住民税はどうなりますか
住民税(所得割)は前年1月から12月までの所得をもとに計算され、会社員は6月から翌年5月までの給与から12回に分けて差し引かれます(特別徴収)。年収が下がった年の所得が住民税に反映されるのは翌年6月からで、それまでは下がる前の年の所得をもとにした額が差し引かれます。
年の途中で転職したときの所得税はどうなりますか
年の途中で入社し年末まで勤めている人も年末調整の対象で、前の勤務先の源泉徴収票で前職の給与を確認できない場合は確定申告で精算します。
転職で年収が下がったときの補助金はありますか
雇用保険の就業促進定着手当は、再就職手当を受けた人が再就職先に6か月以上勤め、その6か月の賃金が離職前より低い場合に支給されます(上限は基本手当日額×支給残日数×20%)。失業期間をはさまずに転職した人は対象になりません。